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がとう)ありがとうみんなのお陰よ!」であった。
そのような戦いと喜びを共にできたことは、チームの一人一人の大きな心の財産となったであろう。
鈴木選手は、強化合宿中、腰痛のため何度も治療を必要とした。水中深く長い距離を潜行するバサロキックは、他のキック以上に腰部に負担をかける。また、息を止めたまま潜水泳法を行うため、心臓や肺への負担も強い。
幼い子どものスイマーや中・高校生の選手が、金メダル獲りのバサロキックにあこがれて、まねをすることの危険性も論じられるようになった。バサロキックの長さを競うようになれば、さらに危険性は増すことになる。
そのような背景もあり、国際水連(FlNA)は、スタート・ターン後の潜水キックは10m以内と定めた。そして、その後の検討により、それは15mと緩和された。
このように背泳ぎのバサロキックを介した作戦、強化トレーニングによる障害の発生、競技規則の変更等、様々なドラマとエピソードが生まれた。
本報告書は、背泳ぎにかかわる歴史、科学、指導、応用等を様々な視点から分析し、論述したものである。
背泳ぎそして水泳そのものの普及・振興に、本報告書が役立てば幸いである。

 

 

 

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